生命保険に加入しているみなさまにとって、自分や家族が加入している生命保険は、良い保険なのか悪い保険なのか気になっている方がとても多いと思います。
実のところ、生命保険の良し悪しを型にはめて考えることは難しいものの、少なくとも、保険屋が知られたくないことは、加入する側にとってみると、良い生命保険になり得るものであると筆者は考えています。
そこで本記事では、保険屋が加入者に知られたくない内容を3つ厳選して紹介していきます。
主契約は小さく、特約が大きな生命保険は保険屋にとって利益大
生命保険は、おもに主契約と特約という2つの構成に分かれており、これは終身保険や医療保険といった生命保険の種類をはじめ、どの保険会社でも2つの構成は基本的に共通しています。
たとえば、ファストフード店でハンバーガーなどを注文したことがある方は多いと思いますが、主契約を例えますと、ハンバーガー単品、特約は、ポテトやドリンクがついたセットと考えても良いでしょう。つまり、それぞれを1つずつ単品で購入するよりも、セットで購入した方が、支払うお金は少なくてお得になるのが購入する側のメリットです。
これは、生命保険に加入する際、主契約に特約を付けることによって、保障の質が上がることと同じように考えることもできますが、生命保険の主契約と特約の関係は、ハンバーガーセットと同じような考え方にならない点に注意が必要です。
以下、定期保険特約付終身保険の例で解説を進めていきます。
上記イメージ図を数字に置き換えるとよりイメージがわきやすくなりますので、解説にあたり、それぞれの用語を数字に置き換えてみます。
- 契約:30歳
- 契約満了:65歳
- 保険料払込期間:35年(65歳-30歳)
- 主契約(終身保険):500万円
- 定期保険特約:2000万円
上記の契約条件の場合、受け取ることができる保険金の関係は、以下のようにまとめることができます。
- 30歳から65歳までに受け取ることができる保険金額 2,500万円(主契約+特約)
- 65歳以降から亡くなるまでに受け取ることができる保険金額 500万円(主契約)
上記まとめより、主契約に特約を付けることによって、一定期間のみ保障の質を増加させることができ、一生涯に渡って大きな保障を確保できるわけではないことがわかります。
生命保険の契約において特約を付けることをすべて否定しているわけではありませんが、仮に、以下のような保険契約をしていた場合は、どうでしょう?
- 契約:30歳
- 契約満了:65歳
- 保険料払込期間:35年(65歳-30歳)
- 主契約(終身保険):10万円
- 定期保険特約:2,490万円
上記の契約条件の場合、受け取ることができる保険金の関係は、以下のようにまとめることができます。
- 30歳から65歳までに受け取ることができる保険金額 2,500万円(主契約+特約)
- 65歳以降から亡くなるまでに受け取ることができる保険金額 10万円(主契約)
30歳から65歳までに保障される金額は、同じ2,500万円であるのにもかかわらず、負担するべき保険料は、上記パターンの方が、はるかに少なくて済みます。
この理由は、保険会社が将来支払わなければならない保険金が10万円で済むためであり、特約は、保険期間中に何もなければ、丸々儲け(利益になる)といった、からくりがあるためです。
つまり、主契約は、保険会社側からすると、いつかは必ず支払わなければならないお金を指しており、主契約が大きくなればなるほど、負担するべき保険料が高くなる一方、特約は、保険会社の利益になりやすく、保険代理店が保険会社から受け取る手数料も比較的高めに設定されているものが多くなっています。
このように、主契約は小さく、特約は大きくすることで、少ない保険料で大きな保障を見せかけることができ、筆者自身の保険相談の経験上、まだまだこのような状態の方が多くなっている印象を強く受けています。
なお、主契約が10万円で特約が2,000万円といった生命保険の相談事例は、筆者自身が6年前に実際に目の当たりにした実話となります。
万が一のリスクを社会保障でカバーできるものがたくさんある
生命保険に加入しているみなさまに共通していることとして、万が一のことが起こった場合のお金の心配であると思います。
具体的には、死亡や高度障害をはじめ、病気やけがによる入院や収入の減少といったことが主な理由として考えられますが、これらのリスクをすべて生命保険でカバーすると、大きなロスが生じます。
この理由として、私たちが加入している健康保険や国民健康保険といった公的保険のほか、厚生年金や国民年金といった公的年金からは、社会保障として保障される部分があるためです。
たとえば、一定の支給条件を満たすことによって、死亡した場合の遺族補償として遺族年金が支払われるほか、病気やけがで入院し、多くの医療費を負担した場合は、収入や所得に見合った分のみ自己負担をする高額療養費制度があります。
また、健康保険に加入している方(被保険者)は、一定条件を満たすことで、仕事に就くことができなかった期間の所得補償として傷病手当金が支給されるなど、現在の職業や加入している公的保険・公的年金・家族状況などによって、すべて異なります。
そのため、これらの制度や状況をしっかりと加味した上で生命保険に加入しなければ、結果として、無駄な保険料の支払いや過大な保障といったロスが生じることになるわけです。
生命保険の相談をする担当者によって、この部分の説明やプラン設計は、非常に大きな差が生じるポイントになりますので、この部分をわかりやすく、かつ、納得できるような説明ができない担当者からの保険契約は避けるのが無難でしょう。
現状、生命保険を活用した資産運用は、期待値が激低
生命保険を活用した資産運用の代表的なものとして、学資保険を活用した子供の教育資金の準備や個人年金保険を活用した老後生活資金の準備などがあげられます。
学資保険や個人年金保険は、貯蓄性保険とも呼ばれ、いわば、将来必要となるお金の準備について、これらの生命保険に加入することで、満期時に払い込んだ保険料よりも多くの解約返戻金が受け取れる仕組みとなっています。
しかしながら、現状では、平成28年2月に日本銀行がマイナス金利政策を施行したことによって、日本国内の保険会社も影響を受け、結果として、学資保険や個人年金保険を活用したリターンは、残念ながら期待できない状況です。
元々、学資保険や個人年金保険は、加入する側のメリットが大きいこともあり、保険代理店も含めた保険屋さんにとってうまみのない生命保険となっていることから、ノックドア商品としての目的が、現在も根深くなっています。
つまり、学資保険や個人年金保険の契約手続きをしながら、終身保険や医療保険などといった他の保険の見直しをすることによって、まとめて契約を取ってしまうためのきっかけ商品が、ノックドア商品といったイメージです。
お金の専門家としてはっきりと申し上げますと、仮に、毎月1万円の学資保険料を17年や18年という長きに渡って払い込むのであれば、つみたてNISAを活用して、学資保険料相当額を積立投資した方が多くのお金を準備することができると考えています。
また、個人年金保険に加入するよりであれば、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する方が、毎年の節税効果が高く、かつ、多くの老後生活資金の準備をすることができるとも考えています。
時代の流れが変わることによって、お金の活用の仕方を賢く柔軟に変えられることが、重要であることをつくづく実感します。
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まとめ
生命保険に加入している方は、男性、女性といった性別を問わず、全体の約8割が何かしらの生命保険に加入している状況です。
このように、生命保険の加入率が高い一方、ご自身が思い描いている保障内容とは異なった契約内容である場合も十分考えられます。
そのため、保険会社や保険代理店のように保険の見直しをしましょうとは言いませんが、現在加入している生命保険が、いつまで、どのような場合に保障されるのかなど、大まかな部分を再度確認されることを強くおすすめします。
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