ひと昔前なら結婚して家庭を持ったら夫は外で稼いで、妻が育児、料理や掃除洗濯などの家事をするという役割がありました。しかし現代社会では女性の社会進出が進み、結婚して家庭を持っても女性が働く、共働き夫婦が増加しています。
共働き夫婦の家事分担の実態とは
今は専業主婦の家庭より、共働き夫婦のほうが多いと言われています。家庭を持った女性でも、退職せず共働きとなり、キャリアを積んだり、管理職に就いたりと大忙しの毎日です。
それと同時に家事を積極的に協力する男性も増えて、「イクメン」や「家事メン」という言葉も生まれています。
共働き夫婦の家事分担の実態はどのようになっているのでしょうか。そしてどのようにして家事分担を決めているのでしょうか。共働き夫婦の家事分担の実態と、家事分担パターンを解説します。
家事分担比率の理想と現実
共にフルタイムでの共働き夫婦の家事分担の理想は、やはり「妻50:夫50」と平等です。もしくは少し譲歩して「妻60:夫40」でしょう。
しかし、現実は厳しいようで、共働き男性の多くは1時間も家事をしないらしく、家事分担の割合比率の現実は「妻90:夫10」です。妻の負担が大きくなっていますね。
このような現状では、不満の原因となってしまいます。とはいっても仕事を辞めるのも経済面で不安だし…と、ストレスとイライラの限界に疲れた共働きの妻たちが離婚を選択するという、ケースも多くなっているようです。
次に、共働き夫婦たちは家事をどのように分担決めをしているのかを見ていきましょう。
きっちり分担して担当を決める
共働き夫婦の家事分担の方法で多いのが「料理と部屋の掃除は妻、洗濯・お風呂掃除は夫」、という風に家事の種類できっちり分担を決めるパターンのようです。この分担方法だと、夫ができることを割り振って、それ以外は妻の役割となりがちです。
そして家事の中には種類に分けることができないものもありますので、気付いてやってしまう妻の負担がどうしても多くなる傾向もあるようです。
その日の状況によってなんとなく
「早く帰ってきた方が料理」「時間がある方が洗濯」「子供の送迎は、朝は夫、帰りは妻」という風に、なんとなくその日の状況で家事の役割が決まるというパターンです。
これといった役割を決めていないので、残業の少ない方が(主に共働きの妻になるとは思いますが)、家事負担が増えるという問題が発生します。この分担方法だと、夫がどれだけ疲れた妻を思いやって協力的に家事をできるか、という思いやりが重要になってきます。
年収や家庭に入れる生活費の割合に比例して分担する
共働き夫婦は当たり前ですが、お互いに収入がありますので家庭にお金を入れます。この時に入れる生活費が折半の場合は家事分担もきっちり折半、入れるお金が少ない方が家事負担も多めというパターンもあるようです。
共働きといっても妻の働き方も色々あります。時短勤務だったり、残業のない職場だったりしますので、仕事の負担が少ない分このような家事分担の決め方もあるでしょう。
ただ、この決め方では生活費を多く入れているからという雰囲気になり、夫が全く家事をしなくなってしまう傾向もあるようです。共働きであることは変わりがありませんので、まったく夫が協力してくれないようでは妻としては不満に感じてしまいますね。
家事はほぼ妻任せ
「夫の分担はゴミ出し」「洗濯機を回すこと」など、役割とは名ばかりでほぼほぼ家事を妻に任せている共働き家庭が意外にも多いようです。40代以降の共働き夫婦に多いと言われています。
40代以降であると昭和生まれでやや年齢も高く、「家事は妻の仕事」という古い固定概念をまだ持った男性が多いのかもしれません。このまま妻にばかり負担をかけると、育児も手がかからなくなった頃合いを見て、妻から離婚を切り出されても仕方ありません。
家事を妻任せにしている夫は思いやりを持って妻に接するように、自分を変える努力が必要です。
共働き夫婦で妻が夫にしてほしいこと
共働き夫婦の家事分担の実態を解説しましたが、妻の家事の割合が高めであることがわかりました。そんな共働き夫婦の妻たちが夫に希望していることは一体何でしょうか。
何も言わなくても察してやってほしい
決めたことはやってくれるけど、家事は決められたことばかりではありません。時にフレキシブルな対応も必要になります。そういった部分も自分で察してやってほしいと思っていますが、男性目線ではなかなか気づかないことが多いようです。
「あれもやってよ」「これもやってよ」と指示するのが面倒ですし疲れるので、共働きの妻たちは自分でやってしまった方が早いと考えてしまいがちです。
「イクメン」「家事メン」と自慢しないでほしい
共働き夫婦の中で家事や育児を分担しているだけで、自分は「イクメン」「家事メン」と友達など周囲に話している共働きの夫がいるようですが、そのぐらいの役割でわざわざ自慢しないでほしいと共働きの妻たちは思っています。
家事に協力していると思っている共働き夫たちに対して、妻はやはり大半の家事を自分がこなしていると感じているからでしょう。
たとえ共働きをしていても、妻が家事や育児をしても自慢するようなことではないので、わざわざ自分から自慢する夫に対してイライラしてしまうのもわかります。
「見えない家事」にも気づいてほしい
家事の種類は料理、掃除、洗濯、ゴミ出し、育児など分類できますが、これだけではないのが現実です。料理を作るには買い物だってしないといけませんし、家族の栄養を考えた献立だって考えなくてはいけません。
買ってきた日用品を収納や整理しないといけないし、シャンプーが切れたら補充しないといけません。洗濯も、定期的にシーツや枕カバーも洗わなくてはいけないし、衣替えだってしないといけません。
このように、見えないけれどやらないといけない家事に、夫たちは気づくことがなかなかできません。こういった細々した家事まで細分化して分担するのも面倒だし、と妻は抱えこんでしまうのです。
こういった見えない家事にまで夫が積極的に気づいてあげて、声をかけたり、手伝ってあげると妻の負担を軽減させてあげることができるでしょう。
やるなら最後まできちんとやってほしい
例えばお風呂掃除をお願いしたら、本当にお風呂掃除しかせずに洗面所の床はびしょびしょのままだったり、ゴミ出しをしたのはいいけれど、次のゴミ袋を補充していなかったり、お皿を洗っても排水溝のゴミはそのままだったり。
家事をしても、それに付随している家事にまで気を配れない夫たちに、妻たちはため息をついてしまっています。結局、最後の後片づけをしているのは妻なので、共働き夫婦の家事分担という言葉自体に不平等さを感じてしまうのです。
共働き夫婦で夫が家事をしない理由
日本は共働き家庭が増えているのも関わらず、国際的にも世界一男性が家事を手伝わない国ともいわれています。「イクメン」「家事メン」という言葉がわざわざ生まれるということは、今までそういった男性がいなかったという証拠とも読み取れますね。
では、なぜ共働きの夫たちは家事をしないのでしょうか。理由を分析していきます。
家事は女性がするものとして育ってきたから
第一線で働いている共働き世代のご両親は昭和生まれがほとんどです。昭和の時代だと、まだまだ女性がバリバリと外で働くという概念は出来上がっていませんので、ほとんどの家庭ではお父さんが働いて、お母さんは家にいて家事をする姿を当たり前のように見て育っています。
つまり家事は女性がするものとして育っていますから、共働きの妻に気遣いを見せることができず、家事の協力するという意識が薄いのです。
共働きの妻がなにも言ってこないから
家事をした方がいいのは薄々感じているけど、妻がなにも言ってこないのを言い訳にして家事をしない共働きの夫たちもいるようです。やらなくても家庭は回っているし大丈夫だと妻に甘えているわけです。
妻たちがなにも言わないのは、そんな夫たちに呆れていたり、わざわざ言うことに疲れた、と感じているからなのですが…。日本人女性は優しく我慢強いので、男性は甘えている部分があるのでしょう。
家事をしても文句を言われるから
家事をやっても妻に文句を言われるだけだから、という意見もあるようです。家事能力の低い夫にしてもらっても完璧ではないし、結局は妻の手がかかるのでどうしても文句を言って喧嘩になりがちです。
そんな妻たちに「やり方が気に食わないだったら、自分でやったらいい」「やってもやらなくても文句言われるんだったら、やらない」と、共働き夫たちのネガティブな思考もやらない理由のうちに入っているようです。
そもそも家事の仕方、育児の仕方がわからないから
男性は家事能力が低いので、そもそも家事や育児のやり方がわからず、あまり手を出したくないという本音もあるようです。例えば、お風呂掃除をするときでもどの洗剤、どのスポンジを使えばいいのかわからないのです。
そもそも何をどうしていいのかわからないために、共働きの夫たちは手を出しづらい、という理由もあるようです。
共働き夫婦でストレスのない家事分担のポイント
共働き夫婦の妻たちの希望と、夫たちの言い分を解説してきました。妻たちはあと少し協力してほしい、夫たちはダメ出しせずに任せてほしい、とそれぞれに思っているようです。
せっかくだったら家の中では仲良く協力しあっていきたいですよね。共働き夫婦でストレスのない家事分担のポイントを解説していきます。
家事分担表は明確に作成する
家事を料理、洗濯、掃除、育児など分類して家事分担表を作成しましょう。その際に料理、洗濯、など大まかではいけません。見えない家事も見える化して細分化し、分担表を作ることが大切です。
作成の際は、家事の流れを確認しながら作成すると良いでしょう。例えば、買い物に行って、買ったものを収納、整理、補充するなど確認しながら分担表を作ると、夫もその流れを把握することができます。
またベッドのシーツの洗濯や交換など、毎日は行わない不定期な家事もすべて書き出すことが、夫にも認識してもらうコツです。
一から作るのは時間がかかる、という方はネット上に作成済みの分担表のフォーム等もありますので、是非検索してみて下さい。見える化することでお互いの作業の量を確認することができます。
責任を持たせる
家事の流れを確認し、分担表に分けたらその家事は責任を持たせて、思い切って任せましょう。手を出したり、出来ていないところがあってもダメ出しをしてはいけません。
気になるところは「こうしたほうがいいんじゃないかな?」とアドバイスのように話してあげると夫のモチベーションを下げることなく改善できます。
「上手だね」とか「本当に助かる」など褒めてあげるのもいいですね。工夫次第で夫たちはどんどんやる気になってくれますよ。
家事のやり方を決める
上記でも解説しましたが、共働きの夫たちはそもそも家事のやり方がわからないので、手を出しにくいという面もあります。「あなたはお風呂掃除やってね」で終わるのではなく、どの洗剤でどうやって磨くというやり方まで決めましょう。
そんな事まで…と思ってしまいますが、男性は意外にもわからないものなのです。やり方を決める時は、一方的に「こうやってね」と命令するのではなく、「こうやっていこうか?」と夫の意見も聞いてあげると、2人で家事をやっていくんだという意識も生まれます。
共働き夫婦内のコミュニケーションにもなります。
育児は2人でやる意識を持つ
共働き夫婦でも、育児はどうしても妻がやる割合が多くなってしまいます。ご飯を食べさせて、お風呂に入れて、着替えさせて、寝かしつけまで、なんて毎日やることはいっぱいあります。
子供も母親の方にどうしても甘えてしまいますし、帰りが遅めの夫には平日の育児は時間的にも難しいです。このような状態で何となく、育児は妻の役割となっている共働き家庭も多いのはないでしょうか。
こういうときは平日と休日で育児を分担することをお勧めします。例えば、平日は妻が育児を担当したら、週末は夫が担当する時間をもってもらうように工夫しましょう。
1、2時間子供と2人で遊んでもらう時間を作るのです。その時間、妻は1人になれる時間ですので、少しの間でもリフレッシュできます。大事なことは育児を妻に任せっきりにするのではなく、「2人でやるもの」という意識を夫たちに持ってもらうことです。
時短家電を取り入れる
初期費用は掛かりますが、時短家電を取り入れるのも共働き夫婦の家事の効率化を上げる方法の一つです。例えば、食器洗い機を使うと食器を洗う労力が省けますし、洗濯も乾燥機付きの洗濯機を使うと干す労力が省けます。
その分、忙しい共働き夫婦の会話の時間にしたり、仕事の疲れを取る時間が増えると思えば、初期投資だって悪くありません。時短家電にも頼ることもストレスを軽減させるコツです。
時短テクをフル活用する
洗濯の時短テク、掃除の時短テク、料理の時短テク、など忙しい共働き夫婦が増えているのもあって、時短の手助けをしてくれる方法は、最近ではテレビやネットなどで色々紹介されています。
特に一番時間のかかる料理の時短テクは大いに取り入れると良いです。例えば、週末に常備菜を用意しておく、使いやすいように冷凍したり、洗って切っておくなどです。
どちら一方だけが週末に担当するのではなく、夫婦同士で一緒に作業をしたりすると楽しいですし、コミュニケーションも取ることができますね。
完璧を求めない
最後に共働き夫婦の家事分担を成功させるコツは、夫に完璧を求めないことです。そして何より重要なのは、自分にも完璧を求めないことです。完璧を求めてしまうとどうしてもしんどくなる時があります。
自分は完璧にしているのに、夫は不十分なのが許せない、ともなってしまい、自分も夫も苦しくなってしまいます。うまくいく日だってあるし、疲れたときはお惣菜だって、冷凍食品だっていいのです。
夫に「今日はもう疲れちゃった」と気持ちを素直に伝えてみましょう。素直な女性を見ると、男性は頑張りたくなるものです。ダメな日の自分も許してあげるようになると、家事のストレスも減って、喧嘩もなくなり、共働き夫婦の仲もうまくいくようになります。
共働き夫婦はお互い無理なく家事を分担しよう!
共働き夫婦の家事分担の実態を解説してみましたが、いかがだったでしょうか。日本の共働き家庭では、妻たちの負担がまだまだ多いようです。自分で何から何まで抱え込むのではなく、夫とよく話し合いをすることが大切です。
せっかく目標があって共働きをしているのですから、仕事も家庭も充実させた日々を送りたいものですね。
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