どんな部屋にしたい?一人暮らしの素敵インテリア:サーフスタイル編
アメリカ、西海岸をお手本に
そもそも「サーフスタイル」とは、アメリカは西海岸に位置するカリフォルニア州の住宅に見られるようなインテリアを手本にしたスタイル、というのが一般的。
雄大な海に抱かれた、太陽が降り注ぐ穏やかな気候の地域だからこそ、インテリアも自由で開放的。ビーチハウスのようなラフな雰囲気と、潮風に吹かれたようなどこかヴィンテージな素材感が楽しめるスタイルだ。
インテリアやファッションをはじめ、日本で「サーフスタイル」の波が来たのは1970年代ごろ。肩肘張らず取り入れる事が出来るカジュアルさが人気を呼び、現在でも根強いファンに愛されている。
ざらっとした海辺の手触り感を
爽やかさが先行するスタイルだが、自然や外とのつながりを重んじるからこそ、実はワイルドな質感ともよく似合う。
「外で使っていたものや身につけていたものだって、部屋の中に持ち込んじゃって楽しみたい…」そんなアクティブなアイディアもしっくり来るのだ。
また海辺の家では、鉄と比較すると海風での「塩害」が目立ちにくい木材が外装として使われていることが多い。
塗装の塗り直しや一部の材を交換することで長く楽しめるわけだ。
だからこそ、少しのサビや塗装ハゲであれば、”味わい”として残しながら愛でていく。そんな大らかさがこのスタイルのクールなところだろう。
部屋の中でも、野ざらしにされたような粗野な質感を入れ込むことで海辺に佇む感じ、にぐっと近づく。
使い古された足場板を再利用した、ビーチハウスの外装のような板張りのデザイン
DIY好きな本格派ならヴィンテージな木材を床や壁にあしらったり、サビっぽい加工が出来る塗料を使ったり、ヤスリをかけてあえて塗装ハゲを作るのも手だ。もっと手軽に、なにか素材選びをする際には、磨きあげられたツヤ感より素地っぽいざらつき感を重視するなど、少しの意識を持つだけでも良い。
エクステリア的な素材も区別せず、長い年月でついたキズや凹みさえも、味わい深い記録として取り入れる。そんなスタイルだから、柔らかな素材以上に荒々しい質感やインダストリアルな雰囲気まで似合ってしまうのだ。
風景を再現するような部屋づくり
そんな「サーフスタイル」は、自由度も多様性もピカイチ。でも、ベースとなるカラーリングなどをおさえつつ、お気に入りの風景をつくるような感覚を持ってすればブレることは無さそうだ。
まずはカラーリング。やはり海や空を思わせるブルーの役割は重要だ
広い面に配置すれば空間全体のテーマを印象づけられるほか、ポイントでトーンの違うブルーを入れれば統一感を保ちつつ表情豊かに演出できる。
落ち着きあるインディゴブルー、ビビッドなターコイズブルー、柔らかなスカイブルー…ブルーと一口に言っても実に多彩。色が持つさまざまな印象を使いこなして、遊んでみるのがポイントだ。
浜辺の緑を思わせる、グリーン(植物)もふんだんに。鉢物であれば150cm以上の大ぶりのものを選ぶと空間に広がりが出るのでおすすめ。
あたたかい地域が産地のヤシ科やソテツ科の植物などは、フォルム自体がユニークなのでより生命力あふれる空間に仕上がる。
こんな風にサーフな風景を取り込んで、「ファブリックは大地を感じるサンドカラー、アクセントに貝殻のようなペールカラーを…」なんて連想しながらつくる空間は完成イメージから離れない。何よりつくっている最中も面白いのだ。
全体のカラーが決まったら、拾ってきた流木や、屋外で使われていたランプ、古いガラス瓶やロープなど、ピンときた無名の物たちを配置してディテールもコンプリートしていこう。
特にブランドにはこだわらず、どんなアイテムが自分と空間を繋げてくれるか、に傾聴することでオリジナリティある空間にできる。
くつろぐ場所・姿勢は多い方が良い
家具についても少し。リラックスしたスタイルだからこそ、家の中でのくつろぐ方法もバリエーション豊かな方が嬉しい。
メインでくつろぐ空間には、天井からハンモックを吊るして、ゆらゆらとした心地よいリズムを感じるも良し。ゆったりと足を投げ出せるオットマン付きのソファなんかもお似合いだ。
いつでもどこでもくつろぎたい派なら、深く腰掛けられるイージーチェアを部屋の随所に点在させておくのも面白い。
運びやすい重量軽めのものなら、家中で持ち歩いて気分の場所で過ごせるので一つ持っておくと良い。
きっと、ワークデスクでカチッと過ごす時間より、大きめのソファベッドでゆるっと過ごす時間にフォーカスする「サーフスタイル」。
ビジュアルはもちろんだが、よくする姿勢や仕草、大事にしてる習慣から家具を選んでいくのも大切だ。
サーフスタイルは、寄り道しながら
最後に、「サーフスタイル」をもっと深めたいのなら、カリフォルニア発の代表ブランド「Ron Herman」や、種類豊富なグリーンが揃う「SOLSO FARM」などからインスピレーションを受けつつも、ジャンルに富んだリサーチをしておきたい。
といっても、カリフォルニアが舞台の映画を見るときはストーリー以上にインテリアに注目してみたり、The Beach Boysのアナログ盤を眺めてアートワークをお手本にしたり…。
はたまた、サーフ系ブランドの創設者のインタビューを読んで気になるスポットに実際に行ってみたり、海辺で開かれるイベントに参加して自然を感じたり…。身近なことからアンテナを向けよう。
「サーフ インテリア コツ」と検索してダイレクトにアクセスできる情報よりも、こんな風に迂回しながら寄り道アクセスする情報の方が味気あるものだったりする。
無難さよりも遊び心のある方を取り入れてオリジナルなものにしちゃう、「サーフスタイル」Loverにはぴったりの方法かもしれない。
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