どんな部屋にしたい?一人暮らしの素敵インテリア:南国リゾートスタイル編
これから住むならこんな部屋にしたい!数あるインテリアのスタイルの中から、特に注目しておきたいものを紹介する連載企画。第3回は、時代を問わず広く愛される、南国特有のゆったりしたリズム感を味わえる「南国リゾートスタイル」だ。
リラックスしたスタイルながら、リゾートホテルのようなリッチな雰囲気も感じられる、そんな「南国リゾートスタイル」の特徴やインテリアのポイントなどを紹介していこう。
アジアン、ハワイアン、リゾート地を手本に
一口に「南国リゾートスタイル」といっても、いくつかの種類があるが、沖縄やバリなどをイメージしたアジアンスタイルや、ハワイアンなビーチスタイルが代表的。どこかトライバルな印象も混ぜつつ、重厚感とぬくもりが共存したスタイルだ。
あたたかい地域でよく使われている赤みがかった木材や、サイザル麻などの自然素材、圧迫感の無いゆったりとした家具配置など、目を引くポイントが分かりやすい。そのため、意外にもシンプルな都心のワンルームでも演出しやすいスタイルでもあるのだ。
非日常的。かつ、リラックスした空間づくり
仕事場や都会とは対極にある「非日常感」や「解放感」を味わえるのが、このスタイルの大きな魅力。ただし、単に上質感・高級感漂う空間というだけではない。
リゾートホテルのようなハイソな雰囲気の中に、ラタンや麻などの自然素材や、キッチュな木彫りの人形をミックスしてみたり…と、非日常的な緊張感はありつつも、ホッとしたり、リラックスできたりするような空間づくりがミソなのだ。
また、こうしたリゾートスタイルには、現地に残る伝統的な民芸品やオブジェ、ヴィンテージドールなど、スピリチュアルなアイテムを添えてもおもしろい。
たとえリゾートホテルのように一から十まで作り込まなくても、リゾートのエッセンスをうまく取り入れつつ、程よい「抜け」をつくるのがポイント。生活の中に「オンとオフ」や「心地良いギャップ」を設けることができる、それこそが「南国リゾートスタイル」の本質的な魅力だろう。
ロースタイルの家具と、リゾートな素材たち
ここからは家具やアイテムについて。リゾート地では天井が高く大きな窓が備え付けの住宅がスタンダードだが、都心のマンションではなかなか難しいもの…。でも例えばローソファやローベッドなど、高さをおさえた家具を選ぶと相対的に空間が広く感じられ、開放感が出る。
天井と床との間の中空スペースが広く取れるので、その余白を生かしてペンダントライトやインテリアグリーンなどをあしらうのも良い。天井にファンをつけてリゾート地さながらに楽しむのもおすすめだ。
古材の柱に質感を合わせたブックシェルフ・ベッドフレーム
素材となる木の色味は、アカシアやマホガニーのように赤みや木目の濃淡がある材がお似合い。表情豊かな木材は、力強く生命感ある雰囲気をつくってくれる。木のアイテムはそれ一つで印象が強く出るので、ある程度色味や質感を揃えた方がまとまりが良い。
木の素材感は、ツルッとした仕上げのものよりも、少し日に焼けた感じやすすけた感じのほうが、オールド感あるリゾートテイストを出せる。古材などをミックスするのもおすすめだ。
ラタン製のシングルチェア、赤のベッドリネンが差し色のスタイリング
また、リゾート感の強い素材などを使ったアイテムにも注目したい。例えば、ラタン(籐)製の椅子やかご、ルーバー(木の羽板)があしらわれたチェストやキャビネット、ウッドブラインドなどもリゾートらしいアイテムだ。
ファブリックについては、生成りの麻やコットンなどナチュラルな色味をベースに、ポイントで鮮やかな色味のアイテムを入れるとメリハリのある賑やかなリゾートテイストを楽しめる。
加えて、このスタイルにうってつけなのがグリーンだ。リゾートといえば「モンステラ」や「アレカヤシ」「フェニックスロベレニー」などが王道だが、ちょっと違いを出すならバナナの葉のように垂直方向に高く伸びる「オーガスタ」もいい。
大型植物が置きにくい部屋なら、卓上の「テーブルヤシ」も重宝する。物件によってはベランダでグリーンを楽しむのも手だ。チェアやハンモック、ウッドデッキなどを設置してとっておきの時間を過ごすのも良いだろう。
間接照明をプラスしてムーディに
最後に照明の演出を加えて、ロマンチックかつあたたかな空間に。ぼんやりとした間接照明なら、リゾート的な非日常感を盛り上げてくれる。壁に取り付けて光を壁に照射させるブラケットライトのほか、賃貸物件など設置が難しい場合はフロアライトやスタンドライトを壁際に寄せて壁に反射させてもOKだ。
光の色は、白っぽい蛍光灯色ではなく、ぜひオレンジ色の電球色を。夕陽のようにノスタルジックであたたかい空間演出に最適だ。
いつもの仕事や学校を終えて部屋に戻ると、そこにはフーッと息を吐いて魂が解放されるような非日常空間が広がっている。都会にいながらそうした“切り替え”を味わえるのは、まさに「南国リゾートスタイル」の持つ魔力といえるだろう。
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