色と素材を楽しむ!コンクリート打ちっぱなし仕上げを活かすコーディネート
仕上げ材をあえて使わず、天井や梁、柱、壁などの躯体のコンクリート面をそのまま見せるコンクリート打ちっぱなしは、都会的でクールな印象を与える人気の仕上げ手法。
シンプルだからこそ、合わせるインテリア次第で好みの部屋を作れるのも魅力のひとつだ。
ここでは、コンクリート打ちっぱなし仕上げの部屋に合うインテリアの選び方やコーディネートのコツについて、リズム株式会社リノベーション本部・デザイン担当の岩崎が解説する。
開放感ある天井高と表情の豊かさは、コンクリート打ちっぱなしならでは
建物の構造をむき出しにすることから「躯体(くたい)現し」とも呼ばれるコンクリート打ちっぱなしの部屋は、リズムの賃貸物件にも多く採用されている建築スタイルです。
リズムが躯体現しを採用している理由は2つあります。
天井高が上がり、開放感がアップする
リズムのリノベーションの物件は、コンパクトなワンルームが多いため、既存の建築スタイルでは天井高が低くなり、居住者に圧迫感を与えてしまう可能性があります。
天井下地やクロスなどを取り除いて躯体現しにすることで天井高が上がり、広く開放的な空間を演出できるのです。
建物固有の表情が歴史を感じさせる
リズムのリノベーションで重視しているのは、住むほどに味わいが増す仕上がり。
壁紙のパテ処理の跡や表面の起伏、ネジ穴など、建物の表情が見えるコンクリート打ちっぱなしの部屋は、物件の歴史を大切にしながら、新たな息吹を吹き込むリズムのコンセプトにフィットしやすい空間といえます。
奇抜な色や形のインテリアもなじむ懐の深さ
都会的で無機質なインダストリアル感…といったイメージが強いコンクリート打ちっぱなしですが、ベースとなるコンクリートが無彩色なので、実はどんなスタイルにもなじみます。
リズムでは、北欧スタイルや和モダンスタイルの部屋にもコンクリート打ちっぱなしを採用。既成概念に縛られることなく、好きな素材をどんどん投入して、組み合わせの妙や新たな発見を楽しんでください。
「これはやりすぎかな」と思うような色やテイストも、意外としっくりまとめてくれる懐の深さがコンクリート打ちっぱなしの持ち味。使う色が少なすぎたり無難すぎたりすると、かえって寂しい感じがしてしまうかもしれません。
次からは、インテリアによって大きく変わる、コンクリート打ちっぱなしの部屋のコーディネート例を紹介しよう。
爽やかでナチュラルなコーディネート
ナチュラルなコーディネートは、ともすれば子供っぽくなりがち。ところが、コンクリート打ちっぱなしに合わせると、ぐっと大人っぽくなるのがおもしろいところです。
親和性が高いのは、無垢やラタン、パイン材など、自然素材のインテリア。木材の明るい色をベースに、ラグなどはアースカラーに近いネイビーなどを使うと全体が引き締まります。
アートや雑貨のほか、カーテン、クッションなどのファブリックには、ソフトで軽やかな印象のライトトーンを取り入れて。
また、ガラス素材や透明感のある素材のフラワーベース(花瓶)、鏡など明るい色味を反射してくれる小物を取り入れると、お部屋のフレッシュ感がアップします。
観葉植物は、多肉植物より枝物を置いて、公園のような雰囲気を演出するのがおすすめです。
どんな部屋にしたい?一人暮らしの素敵インテリア:ナチュラルスタイル編
武骨で抜け感のあるサーフスタイルのコーディネート
アメリカ西海岸を彷彿とさせるサーフスタイルは、コンクリート打ちっぱなしとの相性抜群。天井だけでなく、壁も躯体現しのほうが、より雰囲気が出やすいでしょう。
ステンレスやアイアン、足場板、古材など、武骨でユーズド感のあるインテリアや、ヴィンテージ加工されたインテリアがよく合います。
色味はカーキなどアースカラーをメインに据え、上品に仕上げたいなら、鮮やかながら落ち着きのあるディープトーンをミックスするのがおすすめです。
抜け感と遊び心でコンクリート打ちっぱなしのクールさを中和したいなら、コーデュロイやデニムなど、ざっくりしたファブリックをプラスしても。また、ハンモックや、屋外で使うようなデッキチェアを置いてもいいですね。
植物は、多肉植物や先が尖っている観葉植物などがマッチします。
どんな部屋にしたい?一人暮らしの素敵インテリア:サーフスタイル編
白壁の部屋にヴィンテージアイテムを置くと、やぼったい印象を与えてしまう可能性があります。
一方、躯体現しは、工事のときに書かれた文字や印などが壁や天井に残り、新築にはない味わいを醸し出すため、古びた木材や革素材といった時間の経過を感じさせるアイテムが違和感なくなじみます。
コーディネートの際は、ヴィンテージの家具や小物を主役に据えて、色合いは彩度や明度を落としたグレイッシュトーン、ライトグレイッシュトーンでまとめましょう。
優しい印象になりすぎる場合は、アンバー色のガラスベースや、マットな質感の陶器などの異素材を取り入れるとバランスが整います。ペンダントライトや裸電球など、暖色系のライティングを取り入れるのもおすすめですね。
どんな部屋にしたい?一人暮らしの素敵インテリア:ヴィンテージスタイル編
モダンで知的なコーディネート
コンクリート打ちっぱなしの部屋は、濃い色合いのアイアン素材など、都会的な家具もよく合います。明度の高い色味と低い色味を組み合わせ、コントラストをつけると、肩肘張らないモダンスタイルに。
グレイッシュトーンをベースにしつつ、ストロングトーンなど選ぶのにちょっと勇気がいるようなはっきりした色の家具やアートを置くと、より洗練された雰囲気になります。
アイアン素材と相性の良い革素材や、特徴的な形の照明や家具を置くことで、知的な雰囲気がさらにアップ。コーディネート全体を品良くまとめてくれます。こだわりのインテリアを1~2点、厳選して加えてみましょう。
重厚で温かみのあるコーディネート
躯体現しの面が多いほど作りやすいのが、重厚で温かみのあるコーディネートです。ウォールナット材や、コーヒー色に染めたラワン材などを多めに取り入れると、老舗のバーのような落ち着いたイメージになります。
経年変化を楽しめる革製の家具、柄に特徴のあるラグなども納まりがいいでしょう。
色味は、彩度を抑えたグレイッシュトーンをベースに、格式高い印象を与えるダークトーンの赤色などを選択。
ただし、重厚感がありすぎると部屋全体の圧迫感につながるため、ベッドやテーブルなどは低めの物を選び、目線を下げることを意識してください。
間接照明を多く取り入れると、より奥行きが出て落ち着きのある空間に仕上がります。また、丸みのあるフォルムの家具を1つ取り入れると、やわらかく懐かしい印象が加わりますよ。
コンクリート打ちっぱなしは、自分の「好き」に気づける空間
どんなスタイルにも寄り添う、包容力あるコンクリート打ちっぱなし。
「自分の好きな素材は?」「心地良いテイストは?」と考えながら、まっさらな気持ちでインテリアと向き合うと、今まで気づかなかった新しい「好き」が見つかるかもしれません。
コンクリート打ちっぱなしなら、天井にアンカーボルトを差し込んでハンモックやグリーンを吊るすなど、空間をフル活用した個性的な部屋も自由自在。
リズムのリノベーション物件で、本当に好きな物に囲まれた、素敵な毎日を実現してくださいね。
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