4月の春らしい時候の挨拶文例集。ビジネス〜カジュアルまで季節を感じる書き出し

季節の移り変わりがはっきりしている日本では、プライベートなお手紙でも、ビジネスメールでも、書き出しには季節を感じる時候の挨拶を書くことがマナーとされています。ここでは、4月に注目。上旬・中旬・下旬の時候の挨拶を文例と共に見ていきましょう。

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4月の春らしい時候の挨拶文例集。ビジネス〜カジュアルまで季節を感じる書き出し
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Sayang

ライター

イギリス人の夫と息子二人の四人家族です。動物好きで、犬と猫も飼っています。趣味は読書。インテリアやファッション、アートや文学など美しいものに心惹かれます。

4月の時候の挨拶

プライベートな手紙やビジネスメールでは、書き出しに季節を感じる時候の挨拶を書くことがマナーとされています。時候の挨拶とは、自然界や天候に思いを馳せる言葉。手紙やメールには、送るお相手の健康を気遣う側面もある時候の挨拶は欠かせません。

四季の変化がはっきりしている日本では、月の上旬・中旬・下旬で少しずつ気候が変わるので、時候の挨拶の言葉もそれに合わせています。ここでは、4月の時候の挨拶を文例と共に見ていきましょう。

季節を感じる時候の挨拶文例【4月上旬】

季節を感じる時候の挨拶文例【4月上旬】

まずは、4月上旬に使える季節を感じる時候の挨拶文例から見ていきましょう。時候の挨拶には、それぞれの季節の特徴を、自然物や気候で表現する言葉が使われています。

さらに、暦を二十四に分けた二十四節気や、より細かな七十二候などの言葉も人気です。4月は、季節で言うと春ですし、学校や職場で年度が新しくなる月でもあります。

春らしいぬくもりと新しいタームが始まるフレッシュな気分が伝わる時候の挨拶を、手紙やメールに使ってみましょう。

 

 

4月上旬に使いたい時候の挨拶のキーワード

時候の挨拶のキーワードは、季節感のある言葉。俳句の季語にもなっている朧月夜や菜種梅雨などです。

さらに、4月上旬は二十四節気でいうと生命感にあふれた「清明(せいめい)」にあたります。七十二候では「玄鳥至(つばめきたる)」。こうした言葉もキーワードになります。

さらに、4月上旬は桜をはじめモクレンやチューリップなどの花々が咲く季節。また、入園や入学など進学の季節ですね。社会人としての新生活が始まる人もいるでしょう。

 

4月上旬の時候の挨拶①親しい相手向けの文例

親しい相手へ書くカジュアルな手紙やメールに使いたい4月上旬の時候の挨拶は、春を感じさせる優しい表現がおすすめです。

文例には「やわらかな春風に心華やぐ季節となりました。」「すっかりあたたかくなり、春たけなわを実感する毎日です。」「おだやかな花曇りのなか、桜の花が静かに風に舞っています。」など、春の美しさや華やかさを感じさせる時候の挨拶が挙げられます。親しい相手に対しては、かしこまり過ぎない表現がおすすめです。

 

4月上旬の時候の挨拶②改まる相手向けの文例

改まった相手に書く手紙やメールに使いたい4月上旬の時候の挨拶は、漢文調の表現がおすすめ。文例のように、お相手の健康を気遣う一文を添えると丁寧な印象が高まるでしょう。

「春風の心地よい季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」「春光うららかな今日この頃、お変わりございませんか。」「桜花の候、春爛漫の季節を迎えましたが、いかがお過ごしですか。」などが文例に挙げられます。「~の候」という表現は「~のみぎり」に変えてもOKです。

 

4月上旬の時候の挨拶③ビジネス向けの文例

ビジネスシーンでも、漢語調の文体がおすすめです。さらに、直接やり取りしているお相手個人に対してというよりも、お相手が属している会社や団体に対しての言葉を時候の挨拶と組み合わせることがポイントになります。

「桜花爛漫の候、貴社におかれましてはますます輝かしい春をお迎えのことと存じます。」「春たけなわの頃となり、ますますご隆盛のことと存じます。」など、漢字が多く見た目にもきちんとした雰囲気が伝わってくる時候の挨拶です。

 

季節を感じる時候の挨拶文例【4月中旬】

季節を感じる時候の挨拶文例【4月中旬】

続いては、4月中旬に使える季節を感じる時候の挨拶文例を見ていきましょう。4月10日ごろから20日ごろまでが中旬となります。南北に長い日本では、この時期まだまだ桜前線が移動中です。

手紙やメールを送るお相手がお住いの地域に合わせて、時候の挨拶を選ぶと心遣いも伝わりやすくなります。手紙やメールの書き出しに使われる時候の挨拶は様式美であり形式美であるといわれますが、コミュニケーションを円滑に進めるためのマナーでもあるのです。

 

4月中旬に使いたい時候の挨拶のキーワード

4月中旬は七十二候の「鴻雁北(こうがんかえる)」「虹始見(にじはじめてあらわる)」にあたります。行事でいうと十三参りや山王祭が4月中旬。最近では、欧米から伝わってきたイースターも4月中旬のイベントとして定着してきていますね。

また、スイセンやアネモネなど球根から咲く花や。豪奢なシャクナゲが美しい時期です。俳句の季語にもなっている「春時雨(はるしぐれ)」や「花冷え(はなびえ)」も時候の挨拶に使えます。

 

4月中旬の時候の挨拶①親しい相手向けの文例

親しい相手へ書くカジュアルな手紙やメールに使いたい4月中旬の時候の挨拶は、自分自身の日常生活が伝わる言葉選びがおすすめです。

「春雨が降ったりやんだりと物憂い日々が続くこの頃です。」「イースターにちなんで卵料理が食べたくなる時期になりました。」「桜の見ごろも過ぎ、あっという間に葉桜の季節ですね。」など、何気ない日々の中に感じる春を表現した時候の挨拶になっています。レターセットや切手も、春を感じさせる色柄がおすすめです。

 

4月中旬の時候の挨拶②改まる相手向けの文例

少し改まった相手に書く手紙やメールに使いたい4月中旬の時候の挨拶は、季語を取り入れた表現がおすすめです。

「やわらかな芽柳が目にまぶしい季節となりましたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。」「春光うららかな季節を迎えましたが、お変わりございませんか。」「うららかな春日和が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。」などが文例に挙げられます。古来、瑞々しい柳の若芽は「柳桜」と呼ばれるほど愛されていたそうです。

 

4月中旬の時候の挨拶③ビジネス向けの文例

4月中旬のビジネスメールに使いたい時候の挨拶は、春の盛りをきちんと表現することがポイント。

「盛春(せいしゅん)の候」「清和のみぎり」「春爛漫」といった時候の挨拶が、本題に入る前のクッションとして字面からもしっかり働いてくれます。こうした言葉の後には、お相手の繫栄を喜ぶ言葉がおすすめ。

「貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。」「いよいよご壮健にてご活躍の由、心からお喜び申し上げます。」などが文例になります。

 

 

季節を感じる時候の挨拶文例【4月下旬】

季節を感じる時候の挨拶文例【4月下旬】

続いては、4月下旬に使える季節を感じる時候の挨拶文例を見ていきましょう。4月20日を過ぎて30日までが下旬になります。ゴールデンウィークの始まりも、4月下旬です。春も終わりが近づいてきたころで、晩春と表現されることもあります。

春が終わる寂しさだけでなく、次の季節への期待感や喜びが伝わる言葉選びがポイントです。体調を崩しやすい季節の変わり目にもあたるので、時候の挨拶でもお相手の健康を気遣う一言を入れると良いですね。

 

 

4月下旬に使いたい時候の挨拶のキーワード

4月下旬は二十四節気でいうと植物の新芽を育てる恵みの雨を意味する「穀雨(こくう)」にあたります。七十二候では「葭始生(あしはじめてしょうず)」「霜止出苗(しもやみてなえいずる)。こうした言葉も4月の時候の挨拶のキーワードになります。

さらに、本格的な春である4月下旬は、桜がそろそろ終わりを迎え藤が花をつけ始める時期です。また、色鮮やかなツツジが盛りを迎えます。行事でいうと、ゴールデンウィークのスタートですね。

 

4月下旬の時候の挨拶①親しい相手向けの文例

親しい相手へ書くカジュアルな手紙やメールに使いたい4月下旬の時候の挨拶は、移りゆく季節を感じさせる少しセンチメンタルな表現がおすすめです。

「風が春から初夏の香りを運んでくるのを感じる季節。お健やかにお暮らしのことと存じます。」「花の盛りも過ぎ、初夏の気配が漂う季節となりました。その後いかがお過ごしでしょうか」「ゴールデンウィークが近づき、春から初夏へと風の香りも変わろうとしています。」など、文例からもそうした思いが伝わってきます。

 

4月下旬の時候の挨拶②改まる相手向けの文例

少し改まった相手に書く手紙やメールに使いたい4月下旬の時候の挨拶は、丁寧な文体で上品にまとめてみましょう。お相手のご家族を気遣う一文のバリエーションを増やしておくと便利です。

「新年度の慌ただしさもようやく落ち着いてまいりましたが、皆さまお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。」「小ぬか雨に過ぎゆく春を惜しむこの頃、ご家族の皆様もお元気でお過ごしのことと拝察いたします。」などが文例に挙げられます。

 

4月下旬の時候の挨拶③ビジネス向けの文例

4月下旬に送るお仕事相手への手紙やビジネスメールでも、季節の変わり目に関する時候の挨拶がおすすめ。行く春を惜しみ、来る初夏を喜ぶ気持ちが伝わる言葉を選びましょう。そのあとに続けるのは、お相手の繁栄を喜ぶ言葉か、感謝の言葉です。

「惜春の折、ますますご清栄のこことお慶び申し上げます。」「春眠の候、平素は格別のご厚情を賜り、厚くお礼申しあげます」「若葉のみぎり、平素は格別のご高配をいただき心から感謝申し上げます。」などが文例として挙げられます。

 

4月の手紙には時候の挨拶を使ってみよう

手紙やメールの書き出しには、本題に入る前のクッションとして時候の挨拶を書くことが礼儀とされています。四季の移り変わりがはっきりしている日本ならではの慣習と言えるかもしれません。

手紙やメールを送るお相手との関係性によって、フィットする時候の挨拶には違いがあります。また、ビジネスシーンではきちんとした印象を与える漢語調が主流です。大人のマナーとも言える時候の挨拶を上手に活用してみませんか。

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