マルチに活躍する椿油の使い方。髪や全身のスペシャルケアに取り入れてみよう
髪の毛の傷みが気になったときに、おばあちゃんから椿油を教えてもらった経験はありませんか?古くから存在するロングセラー美容オイルの椿油を、今一度おさらいしてみましょう。
椿油を初めて使う人からリピーターまで、あらゆるユーザーに向けて使い方や注意点を詳しく解説!1本で全身ケアができる万能オイルを取り入れ、乾燥に負けない肌作りをしましょう。
椿油ってどんな油?
ツバキの種子を搾汁した油
椿油は、ツバキ属ツバキ科に属するツバキの種を圧搾して採取された油の総称です。海外ではカメリアオイルと呼ばれています。
ツバキといえば、日本では冬場に咲く花です。9月〜11月にかけて採取された種を絞って油を作ります。国内ではヤブツバキと呼ばれるツバキの種が椿油の原料です。
保存料や香料などは一切添加せず、純度100%の椿油として販売されています。
世界三大オイルのひとつ
美容の世界では、日本に限らず世界中でオイルを使った美容法がポピュラーです。なかでも植物由来のオイルは常に安定した品質を保てるうえ、供給も安定した傾向にあるので、あらゆる場面で使われています。
とくに、椿油・オリーブオイル・ホホバオイルの3つは「世界三大オイル」と呼ばれており、美容界ではなくてはならないオイルの代表格と位置付けられるようになりました。
日本における「元祖美容オイル」
日本における椿油は、平安初期から存在していたと考えられています。797年に記された「続日本記」という書物で椿油(書物では海石榴油と表現)に関する記述がありました。
椿油には抗酸化力があり、平安初期には「不老不死の薬」として用いられていたようです。
このように珍重されていた経緯もあり、900年代には租税として椿油が上納された記録も残されています。
老舗ブランドのロングセラー商品が目白押し
椿油は日本で確立したポピュラーな美容オイルです。国内では椿の産地が多くあり、大小さまざまな製造所がその土地で採れるツバキの種から椿油を絞り出し製品化しています。
なかには古くからある老舗ブランドも存在しており、椿油が普遍的なアイテムであることがよくわかります。世代を超えて使われているオイルとして親や祖母世代と話題にした経験を持つ人もいることでしょう。
椿油をおすすめする理由とは?
プチプラコスメの定番
椿油は、メーカーによって大きく価格が変わってくるアイテムです。国内シェアが高い製品は1つ1,000円程度で販売されていることが多く、プチプラオイルの定番ともいえるでしょう。
1回あたり1~2滴程度でカバー可能。使い方も多岐にわたり、コスパがよいオイルであることも支持されている理由です。少量でも伸びがよく重たさを感じないオイルであるところもおすすめポイントですね。
老若男女誰でも使える!
椿油は、純度100%です。生まれたての赤ちゃんのスキンケアにも使える万能選手として知られています。無香料なので、男女問わず使えるところもポイントです。
乾燥が強い肌の潤いケアにもおすすめできるほか、髪の毛のツヤ出しなどあらゆる場面で使えます。肌につけた後はべたつきにくいので、使いやすいオイルを探している人にも最適です。家族のために椿油を準備してはいかがでしょうか。
天然のオイルだから肌にやさしい
椿油は、日本国内では無農薬・有機栽培されたツバキの種が原料です。もちろん保存料などの添加物は一切使われていない天然オイルなので、肌にやさしく安心して使えます。
合成成分や石油由来の成分を使わないナチュラルなコスメを使いたい人に最適です。しかし、植物アレルギーを持っている人は使用前にパッチテストを行い、肌に合うか確認してから使うようにしてください。
椿油の使い方【ヘアケア編】
シャンプー後の洗い流さないトリートメント
髪の毛のパサつきやうねりが気になるときに、椿油が助けてくれます。シャンプー後のタオルドライを済ませた髪の毛に2滴ほどの椿油をなじませてください。
手のひらに椿油を伸ばしてから毛先につけ、ドライヤーで乾かしましょう。毛先がコーティングされるとともにパサつきを防ぎ、うねりを抑える効果を見いだせます。シャンプーの都度アウトバストリートメントとしてお手入れをするとよいでしょう。
乾燥を防ぐ頭皮マッサージ
頭皮の乾燥によるかゆみが気になるときは、椿油を使って頭皮をマッサージしましょう。2~3滴ほどを手のひらで伸ばしてから指の腹を使って頭皮に揉みこんでいきます。
シャンプー後の清潔な頭皮にマッサージをしてください。アウトバストリートメント効果も得られますよ。
また、シャンプー前の頭皮マッサージ用の使い方もおすすめです。椿油が汚れを浮き上がらせてくれます。しっかり汚れを落としたいときに使ってみましょう。
傷んだ髪にピンポイントケア
カラーやパーマのダメージが強く毛先の切れ毛や褪色が目立つときには、乾いた髪に椿油をつけましょう。スタイリングを終えた後、1滴手のひらに伸ばしてから毛先に揉みこむようになじませてください。
椿油が外気による髪の乾燥から髪の毛を守ってくれます。毎日使えるので、お出かけ前の仕上げに椿油を取り入れてみましょう。椿油は無香料なので、フレグランスを邪魔することもありません。
柘植櫛(つげくし)をオイルコーティング
柘植の木から作られる櫛は静電気が起きにくく、美髪を目指す人におすすめです。大事に使うために、椿油を用いたメンテナンスを行いましょう。
椿油をしみこませた柘植櫛で髪をとかすとツヤが出るとともに、髪のうねりなども整いますよ。
キッチンペーパーに小さじ4分の1程度しみこませた椿油を、汚れを落とした柘植櫛に含ませるだけ。1時間程度なじませた後は、軽く表面の油分を拭いてから使ってください。
ウェットな質感づくりに
椿油は「不乾性油」で、空気に触れても酸化しにくく固着がありません。この性質を利用して、髪の毛に自然なウェット感を作ることもできます。
また、髪の毛の水分蒸発を防ぐ効果もあるので、時間の経過とともに髪の毛が広がることや、外出でヘアセットが台無しになるという悩みを持つ人には椿油をおすすめします。スタイリング剤や仕上げに使ってみましょう。
酸化による油脂特有のニオイが発生することもありませんよ。
ヘアアイロンの前に
高熱で髪の毛のうねりを整えるヘアアイロンを頻繁に使うと、髪の毛の傷みが進んでいきます。椿油はヒートプロテクトオイルとしての使い方も可能です。
乾いた髪やシャンプー後の髪いずれにも使えるので、ヘアアイロンやドライヤーの前には椿油を使うようにしましょう。
1回分の量は2~3滴程度。ごく少量を、毛先など熱ダメージが気になる部分になじませてからアイロンを使ってください。
椿油の使い方【スキンケア編】
クレンジングオイルとして
椿油の主成分は皮脂に近い成分のオレイン酸で、刺激も少なく肌にやさしく使えます。ナチュラルメイク程度であれば、メイク落としとしての使い方もおすすめです。
500円硬貨大の椿油を手のひらで温めてから、普段のメイク落としオイルと同じように使ってください。ティッシュで軽く拭き取ってから石鹸などでダブルクレンジングをおすすめします。
コスメの種類によっては落としきれない場合もあるので、ご注意ください。
角栓クリアオイルとして
鼻の頭などのザラザラが気になる場合、角栓が毛穴を詰まらせている可能性があります。椿油を1円硬貨大程度手に取って、角栓が気になる部分につけます。その上にラップフィルムをあててパックをしましょう。
10分ほど経過したらラップフィルムを外し、指の腹で円を描くように角栓がある部分をやさしくこすります。その後、ぬるま湯で洗い流したら完了です。こちらは2週間に1度程度のスペシャルケアとして取り入れてください。
乾燥しがちな肌の油分補給に
頬のカサカサが気になるという場合は、椿油でミストを作るのも一案です。スプレーボトルに水と椿油を9:1の比率になるように入れるだけ。使う前にボトルをシェイクして混ぜてから肌につけてください。
メイクの上からも使えるので油分補給としての使い方のほか、メイク直しにもおすすめです。変質を避けるために、1週間程度で使い切れる量をこまめに作ってくださいね。
ホットパックケア
蒸しタオルと椿油の合わせ技で毛穴の汚れを浮き上がらせる使い方もあります。椿油を2滴ほど顔全体に薄く伸ばした後、適温の蒸しタオルを顔に乗せてホットパックをしてください。入浴中にすると効率的ですよ。
5分を目安に、椿油を拭き取り洗顔してください。この方法なら乾燥肌も防げるので、一石二鳥です。ただし、ニキビ肌は悪化する可能性があるので、椿油を使ったホットパックはおすすめできません。
椿油の使い方【ボディケア編】
湯上りの全身ローションに
全身の乾燥肌を防ぎたい場合は、椿油がコスパのよいローションとして使えます。湯上りの肌に椿油を伸ばすだけでしっかり全身をカバーできます。わずかに水分が残っている状態でつけるのがコツです。
肩から下の目安量は100円硬貨大より少ない程度。少量ずつ薄く伸ばしていきましょう。背中などにつけすぎると、背中ニキビの原因につながるので避けてくださいね。
肘や膝、かかとのカサつきに
肘や膝などカサつきが目立つところにも椿油を1滴、手のひらで伸ばしてから肘や膝に塗りましょう。ほんの少量でも驚くほど伸びるので、1滴だけで両側の肘と膝をカバーできます。
1日1回、お風呂上がりのスキンケアがおすすめ。椿油はべたつきが少ないので、肌に塗った後で洋服を着ても構いません。
ネイルオイルとしても使える!
全身のスキンケアを行った後、手のひらに伸ばした椿油が余ることもあるでしょう。そんなときは、ネイルオイルとしての使い方をおすすめします。爪の生え際を中心に爪全体をマッサージするようになじませてください。
ネイルオフした後の爪につければ、爪が白く変色することを防ぎ、栄養補給が可能です。頻繁にネイルをつけている人におすすめの方法です。
手持ちの香水と混ぜて
香水をほのかに香らせたいときは、椿油1滴に香水を1滴に満たないほどの量を混ぜて肌になじませましょう。練り香水のような感覚で使えます。
香りが強い場合は、鼠径部や膝の裏側などに塗るといいでしょう。油分の効果で肌に定着しやすくなります。
油に香水のエタノールが溶け、これによって強いアルコール臭はある程度抜けるでしょう。いつもと違った雰囲気で香水を身にまとえます。
この使い方は大丈夫?椿油の注意点
酸化や雑菌に注意
椿油には抗酸化力があり、酸化しにくい性質があります。しかし添加物などを一切使わない純度100%の椿油は経年変化が懸念されるでしょう。蓋から雑菌が繁殖する可能性もあるため、開封後3~6ヶ月以内に使い切るようにしたいものです。
少量で全身をカバーできるためコスパがよいオイルとして紹介されますが、開封後も長持ちするものではありません。使い切れる量の商品を購入してください。
使い過ぎに注意
椿油はわずか1滴で髪の毛や半身程度をカバーできます。椿油を使いすぎるとべたつきを感じので、ほんの少量で油膜を作る感覚で使いましょう。
椿油に含まれたオレイン酸は皮脂に近い成分であるため、つけすぎるとニキビなどの肌トラブルにもつながります。
また髪の毛につけすぎた場合は、重たさを感じる仕上がりになるでしょう。 椿油は「少し足りないかも」と思える量を目安に使うのが鉄則です。
使用前にパッチテストをしよう
椿油は植物由来のオイルです。天然成分だけを使用しているので肌にやさしいオイルだと紹介しました。
しかし、植物アレルギーを発症しないとは限りません。肌に合わない場合もあるので、体質によって心配がある場合は使用前にパッチテストを行いましょう。
二の腕の内側に綿棒にしみこませた椿油を1円硬貨大に塗り、絆創膏でカバーし時間を置きます。24時間以内にかゆみや赤みが生じた場合は使用を避けてください。
保管場所に注意
椿油は酸化しにくい油とはいえ、直射日光や高温多湿の場所が苦手です。蓋を開けたままの放置や、直射日光が入り込む場所での保管は避けましょう。
多くの商品は透明なガラス瓶が用いられています。光を避けるためには、引き出しの中に保管することをおすすめします。
夏場などは高温になりやすいので涼しい場所で保管しましょう。しかし、温度が低いと白い塊ができやすいので冷蔵庫保管はNGです。
ニキビ肌には使わないこと!
ニキビの原因菌は椿油に含まれるオレイン酸を好むため、ニキビ肌に椿油をつけることを避けましょう。肌の潤い保持のために使うことも一案ですが、椿油自体がニキビを増やす原因となる可能性も否めません。
また、椿油自体が皮脂に近い成分なので、使いすぎると角栓を作る可能性もあるでしょう。顔に使うときは洗い流すほか、拭き取るなどの使い方で肌に油分を残さないようにしてください。
椿油の使い方をマスターして潤いのある肌を作ろう
プチプラでコスパがよい椿油についてまとめました。ヘアケアの味方として紹介されることが多い商品ですが、角栓予防やメイク落としなどにも使えます。少量でも伸びがよいので、「足りないかも」程度の目安量で使うことをおすすめします。
使いすぎるとべたつきや肌トラブルの原因につながるので注意しましょう。全身に使えるので、椿油の使い方を覚えて潤いのある肌を整えてくださいね。
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