現代は、多岐にわたるインテリアの中から、自分の好きなデザインの物を探して部屋をコーディネートできる時代です。デザイナーたちは、さまざまなデザインを考案して、日々洗練させています。
私たちの生活を豊かにしてくれているデザインですが、現代においても今もなお愛されているデザインや、先駆けとなるデザインを考案した照明界の巨匠についてご紹介します。
ポール・ヘニングセン
まずは、ポール・ヘニングセン(1894-1967)の『PH5 クラシック』『PH4/3』『PH スノーボール』『PH アーティチョーク』についてご紹介します。
PH5 クラシック
ヘニングセンの最も有名な照明『PH5 クラシック』です。
電灯の眩しい光が直接目に入るのが一般的な照明であった時代において、優しく暖かい光で明るくできないかということを追求していました。
独特なシェードの形により、光が漏れるように設計されています。
今でも多くの人を魅了する照明です。主に、ダイニングのペンダントライトとして用いられています。優しい光なので、自然木のコーディネートと一緒に使われることが多いですね。
独特なシェードの形は日本の特許庁にも立体商標として登録されています。
今では、色のバリエーションもさまざまな『PH5 クラシック』が売られています。
こちらは水色になっています。
爽やかな水色が、色彩豊かな部屋のインテリアとよく合っていますね。
シンプルな曲線の集まりですが、バランスの良いデザインとなっており、さまざまなインテリアに合わせることのできる照明です。
フロアスタンドタイプの『PH5 クラシック』です。
ペンダントライトとして設置するよりも低い位置になるので、印象が変わります。
優しい光が広がる素材になっており、『PH5 クラシック』の良さが際立っていますね。
PH4/3
『PH5 クラシック』とよく似た形状の照明です。上に広がる部分がなくなっており、下に光を多く届けることのできるデザインとなっています。
とてもシンプルなデザインなのに、他の照明にも負けないくらい存在感があります。
『PH5 クラシック』に続いて、今もなお人気のある照明です。
建築家ミース・ファン・デル・ローエのトゥーゲントハット邸にも設けられている照明なんですよ。
連灯として並べても雰囲気が良いですね。
あまり大きくないフォルムなので、可愛らしい雰囲気もあります。
PH スノーボール
こちらは『PH スノーボール』です。
リング形の8枚のシェードがバランスよく配置されているデザインです。
このデザインをヘニングセンは1920年代には考えていたと言われています。
住宅の照明としては少し大きいデザインになりますが、こちらでは、天井の高い吹き抜け部分で用いることで、インパクトのある照明になっています。
インパクトもありますが、優しい暖かい光になっていますね。
家具デザイナーのフィン・ユール邸にも設けられている照明です。
PH アーティチョーク
もうひとつ『PHシリーズ』で有名なのが、『PH アーティチョーク』です。
72枚のシェードを互い違いに配置することで、光が反射して、広がりが感じられます。
とても大きい照明で、シャンデリアのような豪華さがあります。
こちらはヘニングセンの照明ではないのですが、現代の照明デザインにおいてヘニングセンの意向の感じられるデザインの照明が多く作られています。
優しく暖かい光を届けたいという思いはヘニングセンから始まったデザインと言えます。
アキッレ・カスティリオーニ
次に、アキッレ・カスティリオーニ(1918-2002)の『パレンテジ』『スヌーピー』『アルコ』についてご紹介します。
パレンテジ
カスティリオーニは、暮らしと光の関係について探求した照明デザイナーと言えます。
こちらの『パレンテジ』は、天井から吊り下げられたワイヤーによって、照明の位置を自在に移動することができる仕組みになっています。
こちらはカスティリオーニのデザインではありませんが、『パレンテジ』の特徴が感じられる照明デザインです。照明の位置や棚の位置を変えることができる仕組みになっており、暮らしを豊かにする照明ですね。
スヌーピー
こちらはカスティリオーニの『スヌーピー』です。
絶妙なバランスの照明デザインとなっております。
シンプルかつアーティスティックなデザインなので、インテリアとしても好まれる照明です。
置いてあるだけでも存在感のあるデザインです。
アルコ
こちらはカスティリオーニの最も有名な照明『アルコ』です。
人の動く動線を妨げないように、ベースから離れた位置に光源を持ってきています。
最近のインテリアでは、リビングの照明としてソファの後ろから用いられることの多い『アルコ』ですが、もともとはダイニング用に考案されたデザインだったらしいです。
こちらは『アルコ』によく似たデザインの照明になります。
『アルコ』と同様に、動線を妨げないデザインになっています。
インゴ・マウラー
最後に、インゴ・マウラー(1932-)の『バーディー』『カンパリ・ライト』についてご紹介します。
バーディー
こちらは『バーディー』という名前が付けられた照明で、電球を天使のように見立てています。
とても遊び心のある作品ですね。
こちらは『バーディー』に似たデザインの照明になります。
『バーディー』は天使ですが、こちらは木のような印象ですね。
カンパリ・ライト
こちらは『カンパリ・ライト』という名前の通り、カンパリソーダのボトルから出来た照明になります。
インゴ・マウラーは、斬新な発想で、おしゃれな照明を生み出す天才と言えます。
バーのようなカウンターにふさわしい照明ですね。
赤色の光が可愛らしいです。
まとめ
照明だけに限らず、デザインというのは、多くのデザイナーによってたくさん考えられています。
現代では本当に多くの照明が存在しますが、いつの時代においても人々を魅了し続ける照明たちがあります。
そしてまた、その照明からインスパイアされて新しい照明が生み出され、淘汰され、後世へと繋がって行きます。
デザインの変遷を辿ると、今のこの時代に存在する照明たちの中から、自分の好きな照明に出会って、素敵な空間で過ごすことがとても素晴らしいものに思えてきますね。
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