「炎に癒されながら、家族で薪ストーブを囲む団らん。遠赤外線の輻射熱で身体の芯から暖まり、家全体もじんわり暖かくなっていく。休日にはストーブ料理を楽しもう。」こんなイメージに憧れて、薪ストーブの導入を考えている方も多いのではないでしょうか。ここ数年静かなブームになっていますが、よく知らないまま憧れだけで取り入れると、「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔することに。今回は薪ストーブを取りれる際のメリット・デメリットをご紹介します。
薪ストーブとペレットストーブの違い
大きくてかさばり、燃やすのが大変な薪を使う「薪ストーブ」に対し、その欠点を解決した「ペレットストーブ」というものがあります。薪ではなく、木をあらかじめ細かく砕いて小さな粒に整形したペレットが燃料です。違いを見ていきましょう。
薪ストーブの特徴
- 電源:不要
- 燃料:手で薪を入れる
- 燃焼の調整:空気取入口の開度を調整
- 加熱方式:放射
- 排気方式:煙突のみ
- 燃料コスト:自分で薪を手に入れられれば低コスト
ペレットストーブの特徴
- 電源:点火やファンを回すために必要
- 燃料:本体上部のペレット入れから、自動で補給する
- 燃焼の調整:ペレット投入の速さと吸排気量を調整
- 加熱方式:温風による対流
- 排気方式:排煙ファンで強制吸排気
- 燃料コスト:薪よりも割高
ペレットストーブのあるインテリア例
ナチュラルでシンプルな、カフェのようなLDK。シンプルデザインのペレットストーブの周りには、ムラ感のあるブラウンレンガでフォーカルポイントに。
薪ストーブの種類
材質や暖房の方式など、薪ストーブにも様々な種類がありますが、今回は燃焼室のタイプをご紹介します。
燃焼室のタイプで分類
エアータイト型
前面に扉がついているタイプです。実用性の高さから、薪ストーブの主流になっています。燃焼に必要な空気を本体で調節できる火力調整機能つき。空気がたくさん入って、どんどん薪が燃え過ぎるのを防ぎます。寝る前に入れた薪が、次の日の朝まで燃え尽きないので効率が良いです。扉がついていることで、空気が逃げずにゆっくり薪を焚くことができるのがメリット。
オープン型
扉がついていないので、薪が勢いよく燃えるタイプです。エアータイト型に比べて暖房効率は落ちますが、パチパチと薪の燃える音、炎の迫力などダイナミックな焚き火感覚を味わえます。
薪ストーブのメリット・デメリット
メリット
インテリアのアクセントになり、おしゃれ
こちらは、カフェ風インテリアのリビングダイニング。ストーブの周りはあえて天井までレンガ貼りにせず、半分までの高さでランダムに貼っています。ストーブ側の片方だけにつけた星型ペンダントの遊び心が◎
ストーブとレンガの壁が、お部屋のフォーカルポイントになります。薪や、写真のようにストーブの火を管理する「ファイヤーツール」などの雑貨を傍らに置くと、味わいのあるディスプレイになります。
遠赤外線でからだの芯から温まる
ストーブをつけてから部屋が温まるまでは時間がかかりますが、一旦温まればスリッパが必要ない位の暖かさに。冬でも子供が喜んで裸足で過ごし、ペットも心地よくてストーブの前から離れないほど◎
ゆらゆらゆれる炎に癒される
焚き火や薪ストーブの炎って、どうしてこんなに癒されるんでしょう?それは、「1/fゆらぎ」の効果があるからです。予測できない不規則なゆらぎは、自然界の動きそのもの。視覚を通し、空気のゆらぎを肌で感じることでリラックスできるのです。火は、部屋に漂う悪い気を浄化してくれるはたらきもあります。
ストーブ料理が楽しめる
ストーブの上に鍋を置いて、煮込み料理を作ることができます。子供が喜ぶ焼きマシュマロなども◎ストウブなどの鋳物ホーロー鍋に入れてふたをするだけで、簡単に美味しい焼きいももできます。
ストーブ上に鍋を置くだけで加湿器いらず
薪ストーブの上に鍋があるだけで、加湿器を置かなくても湿度が保たれます。ハーブなどを栽培していれば、庭やベランダでとれたローズマリーを鍋に入れて加熱し、アロマ加湿を楽しむこともできます。
薪が確保できれば、暖房費はほとんどかからないほど温かい
家の真ん中に薪ストーブがあり、吹抜になっている場合、2階まで温かくなります。着替える時などに少しヒーターをつける以外は、ほとんど暖房がいらないほど。冬に悩まされる窓の結露もなく、洗濯物がすぐ乾くというメリットもあります。
エコな暮らしで地球にやさしい
地震などの災害が起きて電気が止まっても、薪ストーブなら暖をとることができます。使わなくなった廃材を薪にして、灰は肥料として使う。限りある資源を再生して、自然と共存していく。そんな地球にやさしい暮らしを送ることができます。
家族の団らんが増える
薪ストーブのまわりは暖かくてリラックスできるので、自然と人やペットが集まります。家族が集まって団らんし、コミニュケーションが豊かになって笑顔あふれる暮らしに。
デメリット
シーズンオフの煙突掃除に手間がかかる
長く使うためには、どんなものもメンテナンスが大切です。薪ストーブと煙突も、冬が終わったら必ず掃除をしましょう。煙突掃除を業者にお願いすると、コストが高くついてしまいます。煙突掃除を自分達でできるよう、あらかじめ住宅メーカーや工務店、リフォーム会社などに相談して設計してもらうことが必要になります。ご近所に煙で迷惑をかけないための配慮も欠かせません。風向きや立地などの条件、煙突の長さや位置も注意深く計画することが大事です。
薪集めと薪割りの労力が大変
暖房費がかからないようにするには、冬が終わったあとに薪集めを始めないといけません。造園屋さんや工事関係などの知り合いがいれば、お願いすれば無料で譲ってもらえるかもしれません。知り合いがいない場合は、工事の解体や山の区画整理などで廃材が出る情報を調べて、現地へ行ってお願いする必要があります。普通車に乗せられる量では薪が足りないため、トラックへ大量に積んで運ぶことに。譲ってもらった木材は、自分達で適当な大きさにカットし、斧や薪割り機で薪を割る肉体労働も避けられません。その手間をスローライフとして楽しめる人でないと難しいでしょう。
割った薪を乾燥して置いておくスペースが必要
割った薪はすぐに使えるわけではありません。湿気が残っているとよく燃えないため、乾燥させる期間が必要です。風通しのよいところへ積み上げて乾燥させたら、やっと薪ストーブに使えるようになります。自分で調達せずに購入した場合でも、薪を収納するスペースはある程度必要になります。かなりのスペースを取るため、地下室を作るという方もいるほどです。
雰囲気だけ楽しみたいならフェイクもあり
デメリットを見て、「憧れるけどやっぱり面倒だな」「私には無理」と思ってしまった方へ。薪ストーブの雰囲気だけを楽しみたい場合は、フェイクの暖炉型ファンヒーターがおすすめです。
ニトリの暖炉型ファンヒーター
黒
本物かと思うほどのリアルな佇まい。実際の炎は出ないファンヒーターです。定番の黒は、インテリアに重厚感とアクセントをプラスしてくれます。炎はないものの、遊び心のある木材などを傍らに置いて、薪ストーブ風の雰囲気を楽しんで。
ナチュラルやカントリー、プロヴァンス、カフェ風のインテリアに合いますが、男前インテリアにもなじみます。置くだけで、なんだかグレード感が一気に上がりますね。
白
明るい色ややさしい雰囲気、かわいいイメージのインテリアに合わせるなら、黒よりも断然白を。インテリアになじみながらも、ソフトなアクセントになります。
まとめ
薪ストーブに憧れる前に、考えたいことの一部をご紹介しました。意外と肉体労働が発生し、ハードな一面もありましたね。ログハウスが好き、自給自足のスローライフが好き、「そんな手間もまたいいよね」と暮らしを楽しめる方は向いていると思います。憧れを叶えるために、手間も楽しんでしまうか、雰囲気だけを味わうか、自分や家族の場合を考えてみましょう。
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