結婚は男女が一緒に生活をするもの。生活をするためにどうしても必要なのがお金ですね。そのため、昔から女性が結婚相手に求める条件としてあげるのが、経済力や年収です。
しかし一言で年収といっても時代によって求められる金額が変わってきているようです。
そこで今回は未婚者が結婚相手に求める年収と、専業主婦でいるためにはどのくらいの年収が必要かなど、結婚と年収にまつわる話をまとめてみました。
結婚する条件としての年収の変化
まずは、いま未婚の男女別に結婚相手に求める年収とはいくらかということから話していこうと思うのですが、男女別という言葉を見て「え?男性が女性に求める年収?」と思った方もいるのではないでしょうか?
確かにこれまで結婚に求められる年収というと女性が男性に求めるものというのが一般的でした。
しかし少子高齢化が進む中、一人の収入では生活をまかなえないという低収入の男性が多いというのも現実です。
そのため未婚男性の中には、収入があるということを結婚相手に求める条件として出している人も多いのです。
また女性のほうでも結婚相手に求める条件の1つとして「自分の仕事に対する理解」を上げる女性が多く、結婚後も仕事を続けていきたいので、相手の年収はあまりこだわらないという人も多くなってきています。
その代わりに家事の分担や育児への協力という項目が結婚相手に求める条件として上位に入ってくるようになっているのです。
男女別結婚相手に求める年収は?
それではまず未婚女性が結婚相手に求める年収の額からみていきましょう。
女性が求める結婚相手の年収
- 1位 500万円以上
- 2位 300万円以上
- 3位 年収は関係ない
- 4位 700万円以上
- 5位 1000万以上
バブルの3高が結婚の条件とされていた時代からすると、かなり金額が下がっているようですが、それでも女性が求める男性の年収は平均年収よりも高いのが現実です。
30代男性の平均年収よりも低い金額は2位の300万円ですが、現実的な金額を上げていると思われる人は収入は関係ないと答えた人と合わせても半数に届かないというのが現実です。
専業主婦になっている女性でも一度は社会に出て仕事をした経験があるという人がほとんどの現代においても、女性が結婚相手に求める年収と実際に男性たちがもらっている年収との間には開きがあるようですね。
また、いまだに1000万円以上の年収を望む女性は5%以上もいるという現実も、驚かされるところです。
男性が求める結婚相手の年収
- 1位 年収は関係ない
- 2位 300万円以上
- 3位 500万円以上
- 4位 700万円以上
- 5位 1000万以上
こちらの結果は、女性に年収を求めないという男性が半数以上であるのは予想ができた数字なのですが、2位の300万円以上の年収を求めると答えた未婚男性が3割を超えているというのは少し驚かせられる数字です。
300万円未満ではなく300万円以上ということなので、30代男性の平均収入よりは少ないものの、フルタイムである程度の仕事をできる女性が求められているのがわかりますよね。
男女雇用均等法が施行されてから30年以上たっていますが、現代でも男女の収入や昇進の格差が解消されたとはi言にくい状況です。
しかし非正規で働く未婚者が多い現代では、男女関係なく収入を得られるものが収入を得て夫婦2人で生活を支えあっていくという考え方のほうが、無理がないのかもしれません。
また4%未満とかなり少数ではありますが、結婚する女性に700万円以上の収入を求める男性もいます。これまでの専業主婦ではなく仕事をする女性を、家事などで支える専業主夫希望者がこの中にいるのかもしれませんね。
専業主婦として暮らすために必要な夫の年収とは?
未婚の女性の中には結婚後は、専業主婦として生活していきたいと思っている方もいるのではないでしょうか?
ここからは夫の収入だけで生活していくためには、どれくらいの年収が必要となるか考えていきましょう。
総務省の統計から考える専業主婦であるための夫の年収
まずは総務省統計局が発表している「勤務者世帯の支出額」を参考に、専業主婦として生活していくための夫の年収を計算して見ましょう。
子どもがいない2人世帯の場合には、月平均38万円ほどの支出があります。子どもが1人いる3人世帯では月平均40万円ほど、子どもが2人いる4人世帯では月平均43万円ほどとなります。この金額に単純に12を掛けると年間の支出の平均が出てきます。
- 2人世帯 約456万円
- 3人世帯 約480万円
- 4人世帯 約516万円
単純に考えるとこれだけの収入があれば、妻が働くことなく生活をしていくことは可能となるのですが、結婚生活の中では予期しない出費や、子どもの進学のために必要な費用など、日常的に使う金額以外にも考えておく必要のある支出があります。
また未婚者の希望する年収でお話したように、現在日本の平均収入は400万円前後と言われていて、2人世帯の支出金額にも満たないというのが現実なのです。
世帯収入を考えるときに覚えておきたい生活費以外にかかるお金
上では単純にそれぞれの世帯における平均的な支出を元にして、年間に必要な世帯収入を計算しましたが、それぞれに望む生活スタイルや子どもの進学先などによって、支出は大きく変わってきますよね。そこで世帯収入を考えるときに知っておくとよい、生活費以外の支出について考えてみましょう。
子どもの進学にかかわる支出
「子どもにはできればよい学校に行かせたい」「望む学校に通わせたい」と考えている方も多いですよね。しかし公立校と私立校では年間にかかる教育費が全く異なってきます。
東京で子どもを育てたいと思っている場合には
- 幼稚園から高校まで公立 約500万円
- 幼稚園から高校まで私立 約1700万円
公立校を選ぶことでかなりコストは抑えられますが、中学までならまだしも高校選びはその後の進学や就職などにもかかわるので、できれば私立も視野に入れて検討させてあげたいものですよね。
また大学に進学する場合には学費だけで
は最低でもかかってきます。そのうえ、遠くの大学に進学するとなると交通費が高くなりますし、親元を離れるとなると家賃や生活費も出さなくてはいけません。
またこちらの金額は子供1人あたりにかかる金額なので、子供が2人であれば倍の金額がかかってくることとなります。そのため最近では平均である400万円前後の年収の家庭では、子供を1人だけにするという考え方や、子供を持たないという考え方をする人たちも増えているようです。少子高齢化がすすむ日本において、さらに子供が少なくなるような状況となっているんですね。
老後やもしもの時に備えておきたい貯蓄
もし子供を持たないという選択をした場合でも、絶対必要になるのが老後のための貯蓄です。
定年を迎えたあとのメインの収入として、年金が考えられます。しかし基礎年金と呼ばれる国民年金では、40年間保険料を納めた場合に支払われる年金の額は年間77万円ほど。
会社員であれば厚生年金の保険料も納付しているので、支払われる額が基礎年金にプラスされるのですが、それでも2015年時点での平均受給額が14万円強ということを考えると、生活していくのも難しい金額だということがわかります。
年金を受給していることで家賃などを免除してもらえる制度もあるのですが、そのような制度をフルで活用しても生活が苦しいという方が多いよう。
しかも年金を受給できる年齢が上がっていたり、少子化から年金制度自体に不安がある今後の状況では、自分で老後の生活のために貯蓄していくことが重要ですね。
老後のための貯蓄は定年後も働ける状況にあるかや、病気の有無などによって金額が大きく変わってきますが、一般的には500万円から1000万円の貯蓄があると安心と考えられています。
また定年前にも病気やけがによる治療費や収入の減少などのもしもの時に備える必要もあります。このことを考えるとできる限り多くの貯蓄をおこなうことがのぞましいですが、生活費のことを考えると年収の15~20%の貯蓄を心がけるというのが一般的なようです。
子どもの進学にともなう出費や老後・もしもの時のためのお金以外でも、マイホームが欲しい場合にはその分の出費を考えなくてはいけません。
こんな風に出費を考えていくと頭が痛くなることばかりですが、夫の収入だけに頼らず、世帯収入を増やしていくことを考えると希望が見えてきますよ。
夫の収入だけに頼らず世帯収入を増やす
年収や収入という言葉はよく耳にしますが、世帯収入という言葉にはなじみがないという方もいるのではないでしょうか?
世帯収入とはその名前の通り、世帯全体で得られる収入のことです。先ほど試算したように平均的な年収世帯の場合には、専業主婦でいるというのは現実的ではありません。
そこで子どもの将来やマイホーム、そして自分たちの老後を考えて、女性も働くという選択をして世帯収入を増やすことを考えてみましょう。
世帯収入を増やす方法1.結婚前の仕事を継続する
現在、結婚前に何かしらの仕事についている助成が多いですよね。そこで結婚を機会に退職するのではなく、仕事を継続するという選択をした場合どうなるのかということを考えてみましょう。
収入は結婚前の働き方によって大きく変わってきますが、もしあなたが正社員として働いていた場合、そのまま働き続けると夫の年収とあなたの年収を合わせたものが世帯収入となります。
例えば、あなたの年収が300万円で夫の年収が平均の400万円前後だった場合、合わせて700万円前後の年収となるのです。
4人世帯で貯蓄をしない場合の年間支出の平均が約520.8万円だったので、単純に差額を貯蓄にまわすと考えると、年間180万円ほどの貯金が出来る計算になるのです。
5年であれば900万円、10年なら1800万円となりますので、老後の資金としても使える額の貯金ができるのではないでしょうか。
世帯収入を増やす方法2.結婚前の仕事を継続するが、途中短時間労働にする
結婚前の仕事をそのまま継続するのは理想ではありますが、育児などで短時間労働しか無理という状況も考えられます。特に子どもが小さなときにはフルタイムで働くことは難しいですよね。
そんなときには、子どもが小さいときだけ短時間勤務にするという方法もあります。
最近の企業では働き方の多角化などで、このような勤務に応じてもらえる場合もあります。ぜひ確認してみましょう。
世帯収入を増やす方法3.結婚を機にパートやアルバイトに変える
家事や育児をしながら、合間の時間で働きたいという方は、結婚を機にパートやアルバイトに仕事を変えるという方もいるのではないでしょうか。
パートやアルバイトの場合には短時間労働で収入も多くはありませんが、その分家事などで節約をすることができるというメリットもあります。
また2018年1月から配偶者控除が改定され、パートやアルバイトをしている主婦が配偶者控除内で働ける年収がぐっとアップしました。
これまで夫の年収が1220万円以下の世帯の主婦が配偶者控除を満額受けながら働くには、年間103万円以下の金額でしか無理でした。しかし現在では1220万円以下の年収の夫を持つ主婦が、年間150万円まで稼いでも配偶者控除を満額受け取ることができるのです。
47万円の差ではありますが、5年積み立てれば235万円の差が出てきます。夫の収入は生活費にして妻の収入を貯蓄に回すことができれば、年間150万円近くが貯蓄できることになります。
夫の年収が全国平均の400万円前後であった場合には、世帯収入が年間550万円になります。
これは4人世帯の平均支出から計算した年間の金額よりも多くなるので、節約をしながらであれば、貯蓄も可能ですね。
配偶者控除内で働く場合の注意点
配偶者控除を満額受けながら稼ぐことができる年間収入が150万円まで上がったという話をしてきたのですが、主婦が働く場合には配偶者控除以外にも気をつけなくてはいけないポイントがあります。
【税金について】
収入が年間100万円を超える場合には、住民税が課税されます。また103万円以上では所得税が発生するのです。
【社会保険について】
夫が会社員であるときには社会保険の被扶養についても考えなくてはいけません。こちらは年間130万円以上稼いだ場合、被扶養者ではなくなるため、自分で社会保険を支払わなくていけなくなります。
上記2つの注意点をよく考えて、年間の収入をいくらにするか決めるようにしましょう。
生活費の確保のために働き方を考える必要性も
ここまで結婚生活における年収や収入についてお話してきたのですが、結婚生活が続かなくなったときを考えるということも必要です。
例えば若くして夫を亡くしたら?たとえば愛情がなくなり離婚をしたら?どちらも金銭面で苦しい状況になりかねないですよね。
しかしどちらの場合にも生きていくためには収入が必要です。とくに離婚になった場合、生活費を相手からもらうことはほとんど無理な状況ですし、子どもの養育費についても十分な額を支払ってもらえるかはわかりません。
結婚をするときにその後の仕事をどうするかは、自分の仕事に対するやりがいや思い以外に、結婚生活が続かなかった場合という観点からも考えることが必要になってきます。
まとめ
結婚にかかわる年収の話をまとめてみましたが、いかがでしたか?
相手に求める年収の金額や専業主婦として暮らすときに必要な収入など、厳しい内容が多かったのですが、途中でお話したように、配偶者控除にかかわる収入の上限が変更されるなど、女性が働くことや収入を得るということにプラスになる動きが出てきています。
いま自分が置かれている状況やこれからの生活などを考えて、どんな働き方や収入が必要となるのか考えてみる機会を持ってみてはいかがでしょうか。
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